1日の香港市場は神経質な展開か。ロシア軍によるウクライナ侵攻が続くなか、欧米などが追加実施したロシア制裁の副作用で世界景気が後退する懸念が広がる半面、停戦後をにらんで安値を拾う買いが入ると予想する。ロシアとウクライナは28日に停戦交渉を実施し、近く2回目の対話を行う方針を示したが、合意成立への道筋は不透明だ。
一方、ウクライナ情勢が世界経済に及ぼす影響を警戒し、米連邦準備理事会(FRB)が3月半ばの米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利上げを決める公算が小さくなったとの観測が市場で浮上している。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の米議会証言を3月2−3日に控え、発言内容を見極めたいとして積極的な売買を見送る動きがありそうだ。
引き続き決算発表や業績見通しを受けた個別物色が旺盛となるだろう。きょうは中国企業指数とハンセンテック指数の構成銘柄となっている百度(
09888)が2021年12月本決算を発表する。
28日のNY株式相場は、ダウ平均とS&P500が3日ぶりに反落したが、ハイテク株主体のナスダック総合は3日続伸した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。銀行株のHSBC(
00005)と中国建設銀行(
00939)、大型ネット株のテンセント(
00700)とアリババ集団(
09988)が香港終値を下回った。半面、保険大手のAIAグループ(
01299)と中国平安保険(
02318)、自動車メーカーのBYD(
01211)、製薬の中国生物製薬(
01177)が上回って終えた。