8日前場の香港株式市場で、ハンセン指数は4営業日ぶりに反落。前場終値は前日比1.54％安の24202.19ポイントだった。中国企業指数は1.55％安の8456.57ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で724億6000万HKドル。

　ハンセン指数は小安く寄り付き、次第に下げ幅を拡大。20日移動平均線（前引け時点で24213.76ポイント）を割り込んで前場の取引を終えた。米商務省が中国の33企業・団体を輸出に注意を要する「未検証者リスト（UVL）」に追加したことで、米中関係の悪化を警戒した投資家がリスク回避姿勢を強めた。全額出資する2社がUVLに収載された薬明生物技術（02269）は急落し、日本時間午前11時51分に取引を停止した。7日の米株式市場で長期金利の先高懸念からハイテク株が売られたことも地合いを悪化させた。

　薬明生物技術は前日比22.77％下げ、1銘柄でハンセン指数を123ポイント押し下げた。大型ネット株の美団（03690）や、アリババ集団（09988）と子会社の阿里健康（00241）の下げもきつい。電気自動車メーカーのBYD（01211）は大幅に反落した。半面、金融株のHSBC（00005）と中国人寿保険（02628）が買われた。食品・飲料株の万洲国際（00288）と中国蒙牛乳業（02319）が高い。

　8日前場の中国本土株式市場で上海総合指数は反落。前場終値は前日比0.90％安の3398.72ポイントだった。深セン成分指数は2.77％安の13083.79ポイント。上海、深セン両市場の半日の売買代金は概算で5397億7400万元だった。

　上海総合指数は小安く寄り付いた後、序盤はわずかながらプラス圏に浮上する場面もあったが、ほどなくして下向きに転じ、下げ幅を拡大した。前日に2％超上昇した後とあって、利益確定売りが出やすい中、米中対立の激化に対する懸念が地合いを冷やした。米商務省は7日、中国の33企業・団体について輸出許可前の確認や出荷後の検証を十分に実施することができないことを理由に、輸出に注意を要する「未検証者リスト（UVL）」に追加した。これに対し、中国政府は自国企業の事業運営が不当に阻害されるとして反発している。指数は終盤に心理的節目の3400ポイントを割り込み、3390ポイント付近では下げ渋ると、前引け間際にやや戻した。

　セクター別では、太陽光・風力発電設備、バッテリー素材、バッテリー、半導体が安い。半面、観光・ホテル、石炭、港湾・海運が買われている。

　上海B株指数は0.63％安の280.70ポイント、深センB株指数は0.32％安の1149.89ポイントだった。