23日のNY株式相場は続伸。前日にトランプ米大統領がパウエル米連邦準備理事会（FRB）議長を解任するつもりはないとしたことで、中央銀行の独立性が損なわれることへの警戒感が和らぐ中、米中貿易戦争の激化懸念が後退したことが追い風となった。トランプ米大統領は中国との貿易交渉により穏健な姿勢で臨む用意があるとし、現在145％の対中関税が大幅に下がることを示唆した。

　スコット・べッセント財務長官も米中両国が貿易に関して「ビッグ・ディール」に至る可能性があるとし、「ウォールストリート・ジャーナル」紙は、米政権が対中関税を50〜65％に引き下げることを検討していると報じた。

　前日に1016米ドル高と5営業日ぶりに大幅反発したダウ平均は上昇してスタートすると、一時1189米ドル高まで上昇幅を拡大し、419.59米ドル高（+1.07％）で終了。S&P500も一時3.44％高まで上昇後、1.67％高で終了し、ハイテク株主体のナスダック総合は4.48％高まで上昇後、2.50％高で終了した。

　S&P500の11セクターは生活必需品、エネルギーを除く9セクターが上昇。IT、一般消費財、コミュニケーションが2％超上昇し、資本財、金融も1％超上昇した。センチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の30.57ポイントから28.45ポイントに低下した。

　米中貿易摩擦の緩和期待で中国のエクスポージャーが高いハイテク株が軒並み上昇。エヌビディアが3.86％高、アップルが2.43％高となったほか、テスラは前日引け後に発表した決算が予想を下回ったものの、マスク最高経営責任者（CEO）が政権での仕事を来月から大きく減らすとしたことも好感され5.37％高となった。決算発表銘柄は、決算が予想を悪化しなかったボーイングが6.06％高、通期業績見通しを据え置いたGEベルノバが3.07％高となった一方、決算が予想を下回ったエンフェーズ・エナジーが15.65％安と急落した。

　23日の米株式市場で、中国ネット・IT株は軒並み高。中国のネット通販最大手アリババ集団（BABA）が前日比2.67％高の118.97米ドルと5営業日続伸。中国の検索エンジン最大手、百度（BIDU）も2.88％高の87.51米ドルと5営業日続伸した。主な中国関連ネット・IT株の23日終値は次の通り。

　■アリババ集団（BABA）：118.97米ドル（+2.67％）
　■百度（BIDU）：87.51米ドル（+2.88％）
　■トリップ・ドットコム（TCOM）：58.20米ドル（+2.34％）
　■JDドットコム（JD）：33.56米ドル（-0.33％）
　■ウェイボー（WB）：8.05米ドル（+2.94％）
　■ネットイース（NTES）：103.71米ドル（+1.61％）
　■ハロー・グループ（MOMO）：5.65米ドル（+1.44％）
　■滴滴全球（DIDI）：4.16米ドル（0％）
　■捜狐（SOHU）：9.13米ドル（+4.10％）
　■チーター・モバイル（CMCM）：3.95米ドル（+4.22％）
　■テンセント・ミュージック（TME）：13.14米ドル（+5.20％）
　■PDDホールディングス（PDD）：100.43米ドル（+2.13％）

　本日から取引停止になる銘柄と取引再開になる銘柄は次の通り。
　※ストックコネクト採用のA株とB株が対象

★以下の銘柄は本日から取引再開
◇*ST浙江セイ昌科技（001270）

★以下の銘柄は本日から取引停止
◇ST聆達集団（300125）：重要公告発表のため
◇深セン市賽為智能（300044）：重要公告発表のため
◇上海凌雲実業（900957）：重要公告発表のため