13日の香港市場は反落して始まるか。中国指導部は11−12日に来年の経済政策の方針を決める中央経済工作会議を開き、「より積極的な財政政策を実施する。財政赤字率を引き上げる」「適度に緩和的な金融政策を実施する」と決めた。ただ、9日の中国共産党中央政治局会議で示した方針を踏襲し、新味に乏しいことから、当面の材料出尽くしと受け止めた売りが出そうだ。

　米長期金利の上昇も重荷となるだろう。12日発表の米11月生産者物価指数（PPI）が市場予想を上回る伸びとなり、長期金利の指標となる米10年債利回りは11月22日以来となる4.334％に上昇した。

　もっとも、米連邦準備理事会（FRB）による利下げ継続への期待は根強く、売り一巡後は下げ渋る展開がありそうだ。来週の米連邦公開市場委員会（FOMC）について、シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）のフェドウォッチ・ツールの利下げ確率は97％と、前日の99％からわずかな低下にとどまった。

　12日のNY株式相場はダウ平均が6営業日続落。前日に初めて20000ポイントを上回ったハイテク株主体のナスダック総合は反落した。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は大型ネット株のアリババ集団（09988）、テンセント（00700）、美団（03690）、金融株のAIAグループ（01299）、中国平安保険（02318）、中国建設銀行（00939）が香港終値を下回った半面、英金融大手HSBC（00005）上回って引けた。

　香港証券取引所が12日に発表した統計によると、中国本土から香港株に投資する「港股通」（サウスバウンド・トレーディング）は、成約ベースで29億2800万HKドルの売り越しだった。うち上海経由は1億7200万HKドルの買い越し、深セン経由は31億の売り越しだった。

　香港証券取引所は12日、深セン市場との相互株式取引「深港通（深セン・香港ストックコネクト）」の同日の統計を発表した。うち、香港株に投資する「港股通（深）」（深センコネクト・サウスバウンド）の取引状況は次の通り。

■港股通（深セン→香港）
　　当日の売買代金：314億1897万HKドル
　　買い代金：141億5937万HKドル
　　売り代金：172億5960万HKドル

■当日の売買代金上位10銘柄

1 トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン（02800）
　　売買代金：2,543百万HKドル
　　買い代金：3百万HKドル
　　売り代金：2,540百万HKドル

2 テンセント（00700）
　　売買代金：1,952百万HKドル
　　買い代金：753百万HKドル
　　売り代金：1,200百万HKドル

3 美団（03690）
　　売買代金：1,457百万HKドル
　　買い代金：523百万HKドル
　　売り代金：934百万HKドル

4 アリババ集団（09988）
　　売買代金：1,284百万HKドル
　　買い代金：1,034百万HKドル
　　売り代金：249百万HKドル

5 小米集団（01810）
　　売買代金：1,089百万HKドル
　　買い代金：389百万HKドル
　　売り代金：700百万HKドル

6 ハンセン中国企業指数ETF（02828）
　　売買代金：732百万HKドル
　　買い代金：―百万HKドル
　　売り代金：732百万HKドル

7 チャイナ・モバイル（00941）
　　売買代金：442百万HKドル
　　買い代金：226百万HKドル
　　売り代金：215百万HKドル

8 SMIC（00981）
　　売買代金：431百万HKドル
　　買い代金：147百万HKドル
　　売り代金：284百万HKドル

9 融創中国（01918）
　　売買代金：415百万HKドル
　　買い代金：222百万HKドル
　　売り代金：193百万HKドル

10 CNOOC（00883）
　　売買代金：400百万HKドル
　　買い代金：196百万HKドル
　　売り代金：204百万HKドル