30日の香港株式市場で、ハンセン指数は大幅反落。終値は前日比2.32％安の15703.45ポイントだった。中国企業指数は2.47％安の5275.37ポイント。メインボードの売買代金は概算で948億6000万HKドル。

　ハンセン指数は心理的節目の16000ポイントを割り込んで寄り付いた。序盤に下げ幅を拡大し、その後はおおむね下落率2％前後の水準でもみ合った。米中対立の激化を巡る警戒感に加え、中国不動産デベロッパー大手、中国恒大集団（03333）に対して香港の高等法院（高等裁判所）が29日に「清算命令」を出したことを受け、中国不動産企業が抱える深刻な債務問題への懸念が改めて意識された。中国製造業購買担当者景気指数（PMI）の発表や米連邦公開市場委員会（FOMC）結果公表など国内外の重要イベントを前に、リスクを回避する動きが優勢だった。終値ベースで今月23日以来、1週間ぶり安値を更新した。

　ハンセン指数構成銘柄では、前引け後に2023年12月本決算を発表した香港不動産株の恒隆地産（00101）が8％超安と急落。ニット衣料大手の申洲国際集団（02313）、半導体受託製造のSMIC（00981）、本土不動産株の龍湖集団（00960）、太陽光発電用ガラスメーカーの信義光能（00968）も大幅安。自動車・電池メーカーのBYD（01211）が4％超の下落。同社は前日大引け後に23年12月本決算が74−86％増益になる見通しを発表したが、10−12月期の利益が予想を下回ったとの見方が出た。上昇は製薬会社の翰森製薬（03692）、香港不動産関連のLink REIT（00823）、通信キャリアのチャイナ・ユニコム（00762）、医薬品流通大手の国薬控股（01099）の4銘柄のみだった。

　ハイテク銘柄で構成するハンセンテック指数は3.27％安の3098.87ポイントと大幅に反落した。華虹半導体（01347）、衆安在線財産保険（06060）、SMIC、金蝶国際ソフト（00268）が下落率上位。上昇は小鵬汽車（09868）と東方甄選（01797）の2銘柄のみだった。

■午後0時以降の記事一覧：

【香港】BYDをセクタートップピックに据え置き＝シティ
【香港】江蘇高速道路、江蘇蘇錫常南部高速公路の株式65％を取得
【香港】恒隆地産、23年12月本決算は3％増益（速報）
【香港】BYDの23年10−12月期利益は予想下振れ、「買い」判断維持＝BofAS
【香港】玖龍紙業の23年12月中間期業績見通しは予想上振れ＝モルスタ
【香港】香港市場の自社株買い、31銘柄で総額128億円（1月30日）
【香港】中遠海運控股を「ポジティブ・カタリスト・ウオッチ」に指定＝JPモルガン
【香港】無錫薬明康徳新薬開発、米バイオセキュア法案への株価反応は過剰＝モルスタ
【香港】香港・海外銀行セクターの業績市場予想一覧（1月30日）
【香港】本土銀行セクターの業績市場予想一覧（1月30日）

【中国】科大訊飛、23年12月本決算は15−30％増益の見通し
【中国】上海市北高新、23年12月本決算は赤字転落の見通し
【中国】黄山旅游発展、23年12月本決算は黒字転換の見通し
【中国】丹化化工科技、23年12月本決算は赤字拡大の見通し
【中国】杭州海康威視数字技術の23年12月本決算、速報値は10％増益
【中国】国軒高科、23年12月本決算は純利益2.6−3.5倍の見通し
【中国】分衆伝媒信息技術、23年12月本決算は72−79％増益の見通し
【中国】中国北方稀土、23年12月本決算は61−64％減益の見通し

　ハンセン総合指数のサブインデックスである12の業種別指数のうち、30日は上昇が0業種、下落が12業種、変わらずがゼロ業種だった。（　）内は前日比騰落率。

　1　通信：1,363.92（-0.48％)
　2　必需消費財：13,291.70（-1.86％)
　3　金融：2,853.02（-1.87％)
　4　公共事業：4,761.03（-1.87％)
　5　エネルギー：9,779.91（-1.9％)
　6　素材：5,217.21（-2.41％)
　7　医療・ヘルスケア：7,320.19（-2.77％)
　8　不動産・建設：1,429.77（-2.78％)
　9　工業：811.02（-2.79％)
　10　コングロマリット：1,296.40（-2.91％)
　11　情報技術：7,767.70（-2.92％)
　12　一般消費財：2,052.69（-2.92％)