10日前場の香港株式市場で、ハンセン指数は4営業日続伸。前場終値は前日比1.29％高の17743.93ポイントだった。中国企業指数は1.35％高の6079.21ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で441億2000万HKドル。

　ハンセン指数は高く寄り付いた後、序盤は上昇率を2％超に拡大した。米連邦準備理事会（FRB）高官が米10年債利回りの上昇などを理由に追加利上げに慎重な姿勢を示したこと受け、FRBの金融引き締めが長期化することへの過度な警戒感が後退し、投資家心理の改善につながった。もっとも、本土市場で高く始まった上海総合指数がマイナスに転じたこともあり、買い一巡後はもみ合いながら上げ幅を縮小した。

　個別では、大型ネット株の美団（03690）、ネットイース（09999）、アリババ集団（09988）などが買われ、相場の上昇を主導。製薬株の翰森製薬（03692）、香港不動産関連の九龍倉置業地産（01997）、ビールメーカーの華潤ビール（00291）、バドワイザーAPAC（01876）なども高い。半面、23年7−9月期が65％減収と発表した海運株の東方海外（00316）が約5％安と急落。ガス会社の新奥能源（02688）、不動産管理会社の碧桂園服務（06098）が売られた。

ハンセン指数
　引値：17743.93ポイント
　前日比：226.53ポイント
　騰落率：1.29％

中国企業指数
　引値：6079.21ポイント
　前日比：80.91ポイント
　騰落率：1.35％

レッドチップ指数
　引値：3494.86ポイント
　前日比：38.55ポイント
　騰落率：1.12％

　10日前場の中国本土株式市場で、上海総合指数は続落。前場終値は前日比0.50％安の3081.52ポイントだった。深セン成分指数は0.36％安の10070.88ポイント。上海、深セン両市場の半日の売買代金は概算で4949億3400万元だった。

　上海総合指数は小高く始まった後、ほどなくマイナス圏に沈むと、徐々に下げ幅を拡大した。米国の金融引き締めが長期化することへの過度な警戒感が後退し、買いが先行したものの、中国の景気減速が懸念されたほか、来週にかけて9月の金融統計や貿易統計、7−9月期国内総生産（GDP）など中国の主要経済指標が発表されるとあって、様子見ムードも広がり、相場の重しとなった。セクター別では、医療サービスや医薬品販売、漢方薬、建材などが売られた。半面、採掘や教育、インターネットサービスなどが買われた。

　上海B株指数は0.36％高の232.25ポイント、深センB株指数は0.09％安の1101.94ポイントだった。