29日前場の香港株式市場で、ハンセン指数は大幅に3日続落。前場終値は前日比2.30％安の20148.90ポイントだった。中国企業指数は2.83％安の6882.34ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で633億5000万HKドル。

　ハンセン指数は小高く寄り付いたものの、ほどなくして下向きに転じ、ほぼ一本調子で下げ幅を拡大した。米対中追加関税の引き下げに対する期待の後退に加え、台湾問題を巡る米中緊張の高まりへの懸念が地合いを悪化させた。ホワイトハウスによると、バイデン氏が中国側の不公正な経済慣行を問題視していると習氏に説明したものの、今後取り得る具体的な措置は議論しなかった。一方、台湾問題について、習氏は台湾の独立や外部勢力の干渉に断固として反対すると表明し、「火遊びは必ず自身を焦がす」と述べた。ペロシ米下院議長が8月に計画する訪台などを念頭に、強い表現で警告した。

　個別では、ネット株の阿里健康（00241）、アリババ集団（09988）、美団（03690）や、本土系不動産関連の碧桂園服務（06098）、龍湖集団（00960）の下げが目立った。ビールメーカーのバドワイザーAPAC（01876）、電動工具大手の創科実業（00669）も安い。半面、太陽光発電用ガラスメーカーの信義光能（00968）、海運株の東方海外（00316）、自動車メーカーの吉利汽車（00175）が逆行高を演じた。

ハンセン指数
　引値：20148.90ポイント
　前日比：-473.78ポイント
　騰落率：-2.30％

中国企業指数
　引値：6882.34ポイント
　前日比：-200.24ポイント
　騰落率：-2.83％

レッドチップ指数
　引値：3690.18ポイント
　前日比：-60.05ポイント
　騰落率：-1.60％

　29日前場の中国本土株式市場で、上海総合指数は反落。終値は前日比0.72％安の3258.86ポイントだった。深セン成分指数は1.04％安の12299.21ポイントと反落。上海、深セン両市場の半日の売買代金は概算で6223億8000万元だった。

　上海総合指数は序盤、前日終値を挟んで一進一退の値動き。その後は下げ幅を広げ、前場の安値圏で引けた。前日終値は20日以来ほぼ1週間ぶりの高値だった上、週末とあって持ち高を手じまう売りが出たもよう。中国の7月の購買担当景気指数（PMI）の発表を週末に控え、景況感を見極めたい投資家は積極的な売買を見送ったもよう。決算発表や業績見通しを手掛かりとする個別物色が中心となっている。

　セクター別では空運が軒並み安のほか、観光、軍需関連、酒造が売られている。一方、風量発電設備や電力、自動車部品が買われている。

　上海B株指数は0.06％高の306.57ポイントと4日続伸。深センB株指数は0.47％安の1253.22ポイントと4日ぶりに反落した。