29日の香港市場は軟調か。週末を前に持ち高調整の売りが重荷となりそうだ。中国の7月の製造業購買担当景気指数(PMI)の発表を31日に控え、内容を見極めたいとして様子見ムードが広がる可能性がある。
米国時間の28日夜にバイデン米大統領と中国の習近平の電話会談が行われた。両首脳は台湾問題を巡り応酬し、気候変動や感染症など協力できる分野で対話を継続する方針でも一致した。米政府高官は協議後、バイデン氏と習氏が対面で会談する可能性について協議し、両政府で調整するよう指示したと明らかにした。一方、市場では進展が期待されている米対中制裁関税の一部解除については、突っ込んだ議論がなかったとみられる。
前日のNY市場でダウ平均は332米ドル高と続伸。朝方発表の22年4−6月期の米実質国内総生産(GDP、速報値)が2四半期連続のマイナス成長となり、景気悪化で米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待が強まった。米長期金利の低下を受けてハイテク株など高PER株が買われ、ナスダック総合指数も続伸した。一方、同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、大型ネット株のテンセント(
00700)、アリババ集団(
09988)や、国際金融株のHSBC(
00005)、AIAグループ(
01299)がそろって香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を50ポイント近く下回って寄り付くことになる。