10日の香港株式市場で、ハンセン指数は続落。終値は前日比0.29%安の21806.18ポイントだった。中国企業指数は0.04%高の7609.56ポイント。メインボードの売買代金は概算で1803億4000万HKドル。
ハンセン指数は欧米株安の流れを引き継ぎ安く寄り付いた。欧米の金融引き締めの加速を警戒し、売りが先行した。ただ、本土市場で安く始まった上海総合指数がプラス圏へ切り返したこともあり、ハンセン指数が次第に下げ幅を縮小し、プラス圏に浮上する場面もあった。中国当局の産業振興策に対する期待が根強いほか、インターネット・プラットフォーム企業に対する当局の締め付けが緩むとの観測も引き続き投資家心理を支えた。もっとも、5月の米消費者物価指数(CPI)の発表を前に様子見ムードが漂い、中盤以降はおおむね前日終値を挟んでもみ合った。
ハンセン指数構成銘柄では、龍湖集団(
00960)、碧桂園服務(
06098)、華潤置地(
01109)など本土不動産関連株の下げが目立ったほか、ニット衣料の申洲国際集団(
02313)、医薬品受託開発の薬明生物技術(
02269)が安い。豚肉大手の万洲国際(
00288)は大幅に4日続落。半面、自動車メーカーの吉利汽車(
00175)、BYD(
01211)が5%超の大幅高。朝方に売られた阿里健康(
00241)、ネットイース(
09999)、アリババ集団(
09988)などネット株の一角が上昇に転じた。アリババ集団傘下の金融会社、アント・グループの株式新規公開(IPO)について、中国証券監督管理委員会(CSRC)と会社側がともにIPO再開の報道を否定したものの、外電によればアントは早ければ来月にも上場申請を再度提出する可能性があるという。
ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は1.62%高の4826.42ポイントと反発。BYDエレクトロニック(
00285)、キングソフト(
03888)、明源雲集団(
00909)、SMIC(
00981)が急伸した半面、トリップ・ドットコム(
09961)と前日大引け後に22年1−3月期決算を発表したビリビリ(
09626)が5%超下げた。