10日の香港市場は欧米株安の流れを引き継ぎ売り優勢か。欧州中央銀行(ECB)が9日、7月に量的緩和を終了すると決め、同月中には0.25%の利上げに踏み切る方針を示した。9月には追加利上げの可能性も示唆。これを受けて欧州の主要国債利回りは軒並み上昇し、株価指数が総じて下落した。米国市場では10日発表の5月CPIが強い結果となれば米連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げ継続が予想されることで、注目指標の発表を控え持ち高調整が強まり、ダウ平均が大幅に続落した。米10年債利回りが一時3.07%台まで上昇し、高PER株の割高感が意識されハイテク株も売られた。
9日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、アジア生保のAIAグループ(
01299)、大型ネット株のアリババ集団(
09988)、テンセント(
00700)、JDドットコム(
09618)がそろって香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を200ポイント超下回って寄り付くことになる。
きょうは中国本土で日本時間の午前10時30分に5月の物価統計が発表される。市場コンセンサス予想は消費者物価指数(CPI)が前年同月比2.2%上昇、生産者物価指数(PPI)が同6.4%上昇。前月実績は2.1%上昇、8.0%上昇だった。結果によっては相場の波乱要因となる可能性もある。