9日の香港市場は、強弱材料が入り混じる中で神経質な展開か。前日のハンセン指数は大幅に反発して心理的節目の22000ポイントを上抜け、終値ベースで4月6日以来ほぼ2カ月ぶりの高値を付けただけに、利益確定売りが出やすい。米長期金利の上昇と8日のNY株式相場の下落が地合いを悪化させるだろう。半面、中国当局が景気悪化の局面でインターネット・プラットフォームや不動産市場に対する監督・規制を緩めるとの観測が広がっている。イエレン米財務長官が8日、物価上昇を抑える手段として対中制裁関税の引き下げを検討する考えを示したことも、買い材料視されそうだ。
中国の経済指標の結果を見極めたい投資家が、積極的な売買を手控える展開があり得る。きょうは6月の貿易統計、あすは同月の物価統計が発表される。また、きょうはビリビリ(
09626)と蔚来集団(
09866)が2022年1−3月期決算、周大福珠宝(
01929)が22年3月本決算を発表する。
8日の米株式市場は、ダウ平均など主要3指数がそろって3日ぶりに反落した。米10年債利回りが再び3%台に上昇したことが相場の重しとなった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。大型ネット株のテンセント(
00700)とアリババ集団(
09988)、JDドットコム(
09618)が香港終値を上回った半面、銀行株のHSBC(
00005)、中国建設銀行(
00939)が下回って引けた。