11日前場の香港株式市場で、ハンセン指数は5営業日ぶりに反発。前場終値は前日比1.72％高の19971.18ポイントだった。中国企業指数は2.41％高の6818.91ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で660億3000万HKドル。

　ハンセン指数は安く始まったものの序盤に切り返し、上げ幅を拡大。10日のNY市場で米長期金利の低下を受けてハイテク株が買い戻された流れを引き継いだ。前日終値は3月15日以来ほぼ2カ月ぶりの安値だっただけに自律的な反発を見込む買いが次第となり、前日に終値ベースで割り込んでいた節目の20000ポイントに近い水準で前場の取引を終えた。

　個別では、大型ネット株の美団（03690）とテンセント（00700）が大きく買われて相場の上昇を主導。医薬品関連の薬明生物技術（02269）と阿里健康（00241）、自動車メーカーのBYD（01211）と吉利汽車（00175）が大幅に反発した。スポーツ用品の安踏体育用品（02020）と李寧（02331）も高い。半面、不動産株の下落が目立ち、中国海外発展（00688）、華潤置地（01109）、恒隆地産（00101）が売られた。石油株のペトロチャイナ（00857）は続落した。

ハンセン指数
　引値：19971.18ポイント
　前日比：337.49ポイント
　騰落率：1.72％

中国企業指数
　引値：6818.91ポイント
　前日比：160.66ポイント
　騰落率：2.41％

レッドチップ指数
　引値：3733.82ポイント
　前日比：-6.83ポイント
　騰落率：-0.18％

　11日前場の中国本土株式市場で、上海総合指数は3日続伸。前場終値は前日比1.63％高の3085.43ポイントだった。深セン成分指数は2.89％高の11227.87ポイント。上海、深セン両市場の半日の売買代金は概算で6235億6400万元だった。

　上海総合指数は小安く寄り付いたものの、ほどなくしてプラス圏に切り返し、上げ幅を広げた。中国当局の政策支援で恩恵を受けそうなセクターを物色する動きが優勢。事実上のロックダウンが長期化している上海市で新型コロナウイルスの新規感染者の減少傾向が続き、10日は感染経路の分からない市中感染者がゼロだったと伝わり、行動制限の緩和と経済活動の再開への期待も買いを支えたもよう。

　セクター別では、風力発電設備、太陽光発電設備、バッテリー、バッテリー素材が前日に続きほぼ全面高の展開。中国人民銀行（中央銀行）が9日発表した「2022年第3四半期中国金融政策執行報告」で、建築業の省エネルギー化・低炭素化への転換を推進する方針を示したことが引き続き材料視された。半面、不動産開発、不動産管理サービスの一角がさえない。

　上海B株指数は1.07％高の290.65ポイント、深センB株指数は1.15％高の1041.16ポイント。