週明け9日の中国本土株式市場で、上海総合指数は小幅に反発。前場終値は前営業日比0.09%高の3004.14ポイントだった。深セン成分指数は0.41%安の10765.63ポイントと続落。上海、深セン両市場の売買代金は概算で6713億8100万元だった。
上海総合指数は安く始まった後、前週末終値を挟んで一進一退の方向感を欠く展開。心理的節目の3000ポイントが下値支持線として意識され、始値で割り込んでいた同水準をかろうじて上回って引けた。中国政府の景気刺激策への期待が強いなか、前週末に大幅反落しただけに自律反発を狙った買いが相場を支えた。前場に発表された4月の中国貿易統計は、米ドル建て輸出伸び率が3.9%と20年6月以来の低さだったが、市場予測の3.2%から上振れした。一方、人民元相場の下落が輸入インフレにつながるとの懸念が重荷。4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米国の積極的な利上げ姿勢が鮮明となった半面、中国の金融政策は緩和に傾いており、元売り・ドル買いが進むとの見方が根強かった。
セクター別では、製紙・印刷が全面高のほか、建設と化学製薬、環境保護関連が上昇。半面、石炭と空運、自動車、銀行が下落した。
A株市場では、製紙のチェンミン・ペーパー(
000488)、環境保護関連の北京東方園林環境(
002310)、ST福建龍浄環保(
600388)が大幅高。食品メーカーの洽洽食品(
002557)と河南双匯投資発展(
000895)、シリコンメーカーの隆基緑能科技(
601012)も買われた。一方、6日付で通常銘柄から上場廃止リスクの高いST銘柄に転落した蘇寧易購集団(
002024)が5%近く下落。自動車メーカーのBYD(
002594)と上海汽車集団(
600104)、自動車部品メーカーの華域汽車系統(
600741)、中堅銀行の招商銀行(
600036)も安い。
上海B株指数は0.14%高の289.69ポイント、深センB株指数は0.02%高の1031.75ポイントとともに反発した。