28日の香港市場は方向感に乏しいか。中国指導部が打ち出す景気対策への期待が広がるものの、中国での新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻が続くなかで世界景気が冷え込むとの懸念が強い。また、米連邦準備理事会(FRB)の利上げに積極的な姿勢を背景に米ドル高・人民元安が進んでおり、中国人民銀行(中央銀行)が追加の金融緩和に踏み切る余地が狭まると予想する。
四半期決算発表のピークを迎え、業績や収益見通しを手掛かりとする個別物色が中心の相場展開となりそうだ。前日大引け後にBYD(
01211)や中国人寿保険(
02628)などが2022年1−3月期決算を発表した。きょうは石油株のCNOOC(
00883)、家電株の海爾智家(
06690)、不動産株の万科企業(
02202)が決算発表を予定している。
27日のNY株式相場はもみ合い。決算発表銘柄が高安まちまちとなり、ダウ平均が小反発した半面、ハイテク株主体のナスダック総合は小幅に続落して年初来安値を更新した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。中国ネット通販大手のアリババ集団(
09988)とJDドットコム(
09618)が香港終値を上回った一方で、英金融大手HSBC(
00005)、香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)が下回って引けた。