8日の香港株式市場で、ハンセン指数は3日ぶりに反発。終値は前日比0.29%高の21872.01ポイントだった。中国企業指数は0.07%安の7490.37ポイント。メインボードの売買代金は概算で1031億3000万HKドル。
ハンセン指数は安く始まり、前場には下落率が1%を超える場面があった。その後は次第に下値を切り上げ、大引け間際にプラス圏へ浮上して終えた。景気浮揚に腐心する中国政府が、金融スタンスを緩和に傾けるとの期待が支えとなったもよう。新華社系の『中国証券報』が8日、市場関係者の話として、今年4−6月期に中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率を引き下げる見通しを伝えた。前日終値は3月28日以来の安値とあって、自律反発を狙う買いが入りやすい状況だった。一方、米長期金利の上昇を受け、香港市場でも金利が上昇する局面で売られやすいハイテク株が下げ、相場の重荷だった。セクター別では素材とエネルギーが上げた半面、情報技術が下げた。
ハンセン指数構成銘柄では、保険株のAIAグループ(
01299)と中国平安保険(
02318)が買われ、相場の支えとなった。不動産株の上昇が目立ち、碧桂園服務(
06098)や中国海外発展(
00688)、碧桂園(
02007)、華潤置地(
01109)が買われた。都市ガスの新奥能源(
02688)は大幅に反発。一方、大型ネット株のアリババ集団(
09988)、JDドットコム(
09618)、テンセント(
00700)、美団(
03690)がそろって下落。スマートフォン部品メーカーの瑞声科技(
02018)、スマホ大手の小米集団(
01810)も安い。スポーツ用品の李寧(
02331)と安踏体育用品(
02020)は大幅に反落した。
ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は1.15%安の4422.74ポイントと3日続落した。動画配信のビリビリ(
09626)とオンライン旅行会社のトリップ・ドットコム(
09961)、データセンターの万国数拠(
09698)が急落。半面、パソコン大手のレノボグループ(
00992)や半導体株のSMIC(
00981)、華虹半導体(
01347)、ASMパシフィック(
00522)が反発した。