31日の香港市場は軟調か。ウクライナの停戦交渉を巡り不透明感が根強いなか、ハンセン指数が前日まで3日続伸し、約4週間ぶりの高値を付けた後とあって、利益確定売りが重荷になりそうだ。前日のNY市場でダウ平均は65米ドル安と5営業日ぶりに反落。短期的な過熱感から利益確定売りが出た。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3営業日ぶりに反落した。
30日の香港株の米国預託証券(ADR)はまちまち。IT大手のテンセント(
00700)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)が香港終値を上回った半面、アジア生保のAIAグループ(
01299)、中国ネット通販最大手のアリババ集団(
09988)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約40ポイント下回って寄り付くことになる。
中国国内で新型コロナウイルスの感染拡大で景気が冷え込む懸念が強まるなか、きょうは日本時間の午前10時30分に中国国家統計局と中国物流採購聯合会が3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)を発表する。市場コンセンサス予想は49.9、前月実績は50.2。結果によっては相場の波乱要因となる可能性もある。一方、企業の決算発表が終盤に入り、業績を手掛かりとする個別銘柄の物色が引き続き活発だろう。きょうは中国海外発展(
00688)やペトロチャイナ(
00857)などが決算を発表する予定。