24日の香港市場は軟調か。米株安の流れを引き継ぎ、売りが先行しそうだ。前日のNY市場でダウ平均が448米ドル安と大幅に反落。ウクライナ情勢への懸念から欧州株が下落する中、原油相場の大幅上昇を受けたインフレ高進懸念が重しとなった。ハイテク株比率の高いナスダック総合も下落した。香港市場でハンセン指数は前日まで続伸し、約3週間ぶり高値で推移しているだけに、利益確定売りが重荷になりそうだ。
中国企業の米上場廃止リスクへの懸念も再び強まりそうだ。米国証券取引委員会(SEC)は23日、米上場廃止の可能性のある中国企業について、3月上旬に公表した5社に加え、ウェイボー(
09898)を追加した。2020年に成立した「外国企業説明責任法(HFCAA)」に基づき、米国公開会社会計監督委員会(PCAOB)が監査を実施できない状態が3年連続で続いた場合は上場を廃止するとしている。23日の香港株の米国預託証券(ADR)は、テンセント(
00700)やアリババ集団(
09988)、HSBC(
00005)やAIAグループ(
01299)など主力株がそろって香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約190ポイント下回って寄り付くことになる。
一方、中国政府が資本市場の安定を重視する姿勢を示しており、政策期待や政策恩恵銘柄への物色が相場を下支える可能性がある。決算発表がピークを迎え、業績を手掛かりとする個別物色も引き続き活発に行われるだろう。きょうは中国人寿保険(
02628)、中国中煤能源(
01898)などが決算を発表する。