17日の香港市場は4日ぶりに急反発した前日に続き、買いが先行するか。中国の劉鶴副首相が16日に開いた資本市場の問題を検討する会合が、中国企業の海外上場を支持する方針を示し、関連当局が「市場に有利な政策」を積極的に打ち出すべきだと強調した。これを好感して前日の香港市場でハイテク株を中心に買い直しが入り、NY市場でもテンセント(
00700)やアリババ集団(
09988)など大型ネット株の米国預託証券(ADR)が急伸し、香港終値を大幅に上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約990ポイント上回って寄り付くことになる。
もっとも、買い一巡後は神経質な展開になる可能性がある。中国国内の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて広東省深セン市などで事実上のロックダウン(都市封鎖)が実施され、経済の冷え込みが懸念されているほか、ロシア・ウクライナ情勢の影響も不確実性が強い。一方、業績を手掛かりとした個別物色の動きは引き続き強まりそうだ。きょうは長江和記実業(
00001)、長江実業集団(
01113)、中国平安保険(
02318)、李寧(
02331)などが決算を発表する予定。
前日のNY市場でダウ平均は518米ドル高と3日続伸。米連邦準備理事会(FRB)は16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通りに政策金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げた。利上げ加速への警戒感からFOMCの結果発表後はダウ平均が下げに転じる場面もあったが、その後は再び買いが優勢となった。ハイテク株比率の高いナスダックは今年最大の上げ幅を記録した。