17日の香港市場はもみ合う展開か。注目された1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では利上げ開始やその後のバランスシート縮小の方針が示され、ほとんどのFOMCメンバーはインフレ高進が続けばより積極的な引き締めが必要になるとしたが、市場で予想されている以上のタカ派的な内容でなかった。米金融引き締めに対する過度な懸念が和らぎ、安心感につながりそうだ。また、前日に発表された中国の1月の物価統計が市場予想を下回る伸びにとどまったことで、中国の金融緩和に対する期待が高まり、引き続き買いを支える可能性がある。
一方、ウクライナ情勢を巡る警戒感が続く中、上値は限られると予想する。ロシアはウクライナ国境付近から軍の一部撤収を表明したが、欧米諸国は警戒を緩めていない。ロシアが国境に軍隊を集結させているとの指摘もある。これに加え、香港では新型コロナウイルス感染者が連日で過去最多を更新しており、行動制限の強化が経済活動を阻害するとの懸念も重荷になりそうだ。
前日のNY市場でダウ平均とナスダック総合指数が下げ幅を拡大する場面もあったが、そろって小反落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)はまちまち。HSBC(
00005)、テンセント(
00700)、アリババ集団(
09988)が香港終値を下回った半面、AIAグループ(
01299)、中国建設銀行(
00939)などが上回って引けた。