25日の香港市場は続落か。投資家が米連邦準備理事会（FRB）による早期利上げやウクライナを巡る地政学リスクを意識し、運用リスクを回避しそうだ。25−26日に米連邦公開市場委員会（FOMC）が開かれた後、米連邦準備理事会（FRB）のパウエル議長が記者会見を予定している。米金融政策の不透明感が強まっているだけに、内容を見極めたいとの気分が市場で広がるだろう。

　北大西洋条約機構（NATO）は24日、ウクライナ周辺の東欧地域に加盟国の艦船や航空機などを増派すると発表した。ロシアによるウクライナ侵攻を思いとどまらせるため圧力をかける。米国防総省は同日、NATOの出動に呼応して最大8500人規模の米軍を派遣する準備に入ったと明らかにした。

　24日のNY株式相場は値動きの荒い展開となった。ダウ平均は前週末比の下げ幅が一時米1115ドルに達したが、結局は99.13米ドル高と7営業日ぶりに反発。ハイテク株主体のナスダック総合も5営業日ぶりに反落した。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は総じて下落。国際金融銘柄のHSBC（00005）とAIAグループ（01299）、中国インターネット・プラットフォーム企業のテンセント（00700）とアリババ集団（09988）などの大型株が香港終値を下回って引けた。

　24日の米株式市場で、中国ネット・IT株は総じて軟調。中国のネット通販最大手アリババ集団（BABA）が前日比2.32％安の120.37米ドルと続落。中国の検索エンジン最大手、百度（BIDU）も4.97％安の149.05米ドルと続落した。主な中国関連ネット・IT株の24日終値は次の通り。

　■アリババ集団（BABA）：120.37米ドル（-2.32％）
　■百度（BIDU）：149.05米ドル（-4.97％）
　■トリップ・ドットコム（TCOM）：25.79米ドル（+0.08％）
　■JDドットコム（JD）：71.74米ドル（-2.34％）
　■ウェイボー（WB）：33.02米ドル（-1.32％）
　■ネットイース（NTES）：95.29米ドル（-1.75％）
　■モモ（MOMO）：8.94米ドル（-1.87％）
　■レンレン（RENN）：22.01米ドル（+1.24％）
　■滴滴出行（DIDI）：4.76米ドル（-2.06％）
　■捜狐（SOHU）：17.53米ドル（+0.69％）
　■チーター・モバイル（CMCM）：1.21米ドル（-8.33％）
　■テンセント・ミュージック（TME）：6.19米ドル（-3.13％）

　香港証券取引所は24日、深セン市場との相互株式取引「深港通（深セン・香港ストックコネクト）」の同日の統計を発表した。うち、香港株に投資する「港股通（深）」（深センコネクト・サウスバウンド）の取引状況は次の通り。

■港股通（深セン→香港）
　当日の売買代金　161億3816万HKドル
　　　　　買い代金　90億9200万HKドル
　　　　　売り代金　70億4616万HKドル

■当日の売買代金上位10銘柄

                                  売買代金 買い代金

  1 ﾃﾝｾﾝﾄ（00700）                     1,347      940

  2 美団（03690）                      1,024      849

  3 舜宇光学科技（02382）                657      107

  4 華宝国際（00336）                    653      410

  5 ﾁｬｲﾅ･ﾓﾊﾞｲﾙ（00941）                  549      450

  6 薬明生物技術（02269）                376       72

  7 江西ｶﾝ鋒ﾘﾁｳﾑ（01772）                365      259

  8 快手科技（01024）                    335      226

  9 長城汽車（02333）                    286      166

 10 龍源電力（00916）                    248       87
   *金額単位は百万HKドル