16日の香港市場は、前日の米株高が好感される一方、米中関係の悪化などが警戒されて上値の重い展開となりそうだ。画像認識システムの中国最大手、センスタイム(
00020)への米国人による証券投資を禁じる措置が先週末に発表された後、きのう15日には、米国政府が中国最大の半導体ファウンドリー、SMIC(
00981)に対するより厳しい制裁を検討していると伝わった。また、民生用ドローン世界最大手の深セン大疆創新科技(DJI)など中国企業8社を投資禁止のブラックリストに加えるほか、バイオテクノロジー企業を含む20社超の中国企業を16日にも「エンティティ−・リスト」に収載し、事実上の禁輸対象に指定すると伝わっており、関連銘柄を中心に売りが広がりそうだ。
15日のNY株式相場は大幅反発。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(資産購入の段階的縮小)の終了や来年の利上げについて明確な見通しが示されたことで、金融政策の先行きをめぐる不透明感が後退した。テーパリングのペースは市場予想通り倍増され、来年3月に終了することになり、FOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では来年に3回の利上げ見通しが示された。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、AIAグループ(
01299)やテンセント(
00700)、JDドットコム(
09618)、アリババ集団(
09988)などが香港終値を下回って引けており、香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を141ポイント超下回って寄り付くことになる。