25日の香港市場は方向感に乏しい相場か。米長期金利の上昇が一服したことで、最近下げが目立っていたグロース株が買い戻される半面、米国と中国の関係悪化が警戒されそうだ。パウエルFRB議長の続投決定を受けて上昇に転じた米10年債利回りは、24日に一時1.693%まで上昇したが、1.643%で終了。結局、前日比で0.033%低下した。同日の米株式市場では金融株を売り、ハイテク株を買い直す動きが目立った。
一方、米商務省は24日、中国企業8社を含む27社を事実上の禁輸対象リストである「エンティティー・リスト」に追加すると発表。米国の高度技術が流出して中国やロシアなどに軍事利用されることを防ぐとした。また、バイデン米政権は来月開くオンライン会議「民主主義サミット」に台湾を招待しており、中国国務院台湾事務弁公室の報道官が23日、「米国と台湾のいかなる公的な交流にも断固反対する」と述べて強く反発した。
24日のNY株式相場は、ダウ平均が3営業日ぶりに小幅反落したが、ハイテク株主体のナスダック総合は3日営業日ぶりに反発した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国インターネットサービス大手のテンセント(
00700)や香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)、銀行株の中国建設銀行(
00939)が香港終値を下回った半面、保険株のAIAグループ(
01299)、中国ネット通販大手のアリババ集団(
09988)が上回って終えた。