29日の香港市場は上値の重い展開か。中国人民銀行(中央銀行)の幹部が一部のネット証券会社について、必要なライセンスを取得せずにインターネットを利用し、中国国内の投資家にサービスを提供していると指摘。違法な金融活動に当たるとして、米国に上場する富途証券(FUTU)と老虎証券(TIGR)を名指しで批判した。両社を巡っては、中国共産党機関紙の『人民日報』が14日、11月1日付で個人情報保護法が施行されることを受け、米国や香港などの市場を手掛けるネット証券会社がデータセキュリティーなどの規則に違反する可能性があるとして批判していた。中国のネット大手はいずれも金融関連業務を展開していることから、中国当局による企業統制の強化を警戒する動きが強まりそうだ。
また、中国では31日に10月の製造業購買担当景気指数(PMI)が発表される予定で、様子見ムードが広がる可能性もある。一方、四半期決算の発表がピークを迎えており、業績を手掛かりに個別物色の動きが強まりそうだ。きょうは中国建設銀行(
00939)や中国工商銀行(
01398)、中国中車(
01766)などが発表を予定している。
28日のNY株式相場は堅調。ダウ平均が反発し、ナスダック総合とS&P500は最高値を更新した。フォード、メルク、キャタピラーなどの主要銘柄の好決算発表が続いたほか、新規失業保険申請件数が予想以上に減少したこと、インフラ投資法案への期待などが支援となった。