10日の香港市場は反発スタートか。大型ネット株を中心に買い戻しが入りそうだ。前日に中国当局がテンセント(
00700)やネットイース(
09999)などのゲーム企業やプラットフォーム企業を呼び出し、未成年者のゲーム利用制限の厳格な運用を求めたと伝わり、企業統制の強化への懸念から売りが膨らんだ。さらに、香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』が午後、「中国当局がすべてのオンラインゲームの審査を一時停止する」と報じ、大引け前にかけてテンセントなどが急落した。ただ、夜になると報道は「ゲームの審査を停止するのではなく、ペースを減速する」に訂正された。これを受けて懸念がやや後退し、NY市場でテンセントやアリババ集団(
09988)など米国預託証券(ADR)は香港終値を上回って引けた。
もっとも、政策リスクへの警戒感が根強く、週末を前に買いの勢いは限られる可能性がある。また、来週半ばまでに8月の中国金融統計や、小売売上高、鉱工業生産など主要経済指標が発表されるため、内容を見極めたい投資家は積極的な取引を控えそうだ。
前日のNY市場でダウ平均は4日続落し、151米ドル安で終えた。新型コロナウイルスの感染拡大で景気の回復が遅れることが懸念された。ハイテク比率の高いナスダック総合指数は続落した。