3日の香港市場は反落して始まるか。中国の習近平国家主席が掲げた「共同富裕」に呼応し、大手ネット企業が貧困対策や就業促進などに巨額を投じる動きが相次いだことで、業績への影響が警戒されそうだ。アリババ集団(
09988)やテンセント(
00700)が共同富裕政策の支援にそれぞれ1000億元を投じると伝わった。また、ハンセン指数は前日までの4日続伸で累計2.7%上昇したとあって、いったん利益を確定する売りが相場の重荷になると予想する。
香港時間の今夜には8月の米雇用統計が発表される。米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的金融緩和の縮小)を開始する時期の判断に影響するだけに、結果を見極めたい投資家は積極的な売買を手控えそうだ。
もっとも、2日のNY株式相場は堅調で、投資家心理の支えとなるだろう。新規失業保険申請件数が新型コロナウイルスの流行以降で最少を記録し、景気回復期待が相場の支援となった。ダウ平均は4営業日ぶりに反発。ハイテク株主体のナスダック総合は続伸し、連日で最高値を更新した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は下げが目立った。大型ハイテク株のアリババ集団とテンセントのほか、不動産株の華潤置地(
01109)などが香港終値を下回って引けた。