9日の香港市場は方向感を欠く展開か。米長期金利の低下が好感される半面、インフレ懸念は根強い。きょう発表される5月の中国物価統計や、日本時間10日夜発表の米5月消費者物価指数（CPI）の結果を見極めたい投資家が、積極的な売買を見送ると予想する。

　前日のハンセン指数は小幅ながら5営業日続落しており、値ごろ感に注目した買いが入りやすい環境だ。8日の米債券市場で長期金利が一時ほぼ1カ月ぶりの水準に低下したことを受け、ハイテク株が買われて相場を支える展開がありそうだ。米原油先物相場の反発も関連銘柄の買い材料となるだろう。

　8日のNY株式相場は、ダウ平均が高値警戒感の売りに押されて小幅に続落。半面、ハイテク株主体のナスダック総合は3日続伸した。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は、アジア保険会社のAIAグループ（01299）や中国インターネットサービス大手のテンセント（00700）などが香港終値を上回った半面、英金融大手HSBC（00005）、中国ネット通販大手のアリババ集団（09988）、不動産株の中国海外発展（00688）が下回って引けた。

　本日から取引停止になる銘柄と取引再開になる銘柄は次の通り。
　※ストックコネクト採用のA株とB株が対象

★以下の銘柄は本日から取引再開
◇浙江康盛（002418）
◇上海華東電脳（600850）

★以下の銘柄は本日から取引停止
該当なし

　8日の米株式市場で、中国ネット・IT株はまちまち。中国のネット通販最大手アリババ集団（BABA）が前日比0.50％安の215.82米ドルと続落。中国の検索エンジン最大手、百度（BIDU）も0.18％安の188.58米ドルと続落した。主な中国関連ネット・IT株の8日終値は次の通り。

　■アリババ集団（BABA）：215.82米ドル（-0.50％）
　■百度（BIDU）：188.58米ドル（-0.18％）
　■トリップ・ドットコム（TCOM）：37.47米ドル（-0.56％）
　■JDドットコム（JD）：73.28米ドル（-1.87％）
　■ウェイボー（WB）：48.24米ドル（+1.73％）
　■ネットイース（NTES）：113.23米ドル（-0.58％）
　■モモ（MOMO）：14.37米ドル（+3.23％）
　■レンレン（RENN）：11.53米ドル（-3.84％）
　■捜狐（SOHU）：17.26米ドル（+2.68％）
　■チーター・モバイル（CMCM）：2.64米ドル（+15.28％）
　■テンセント・ミュージック（TME）：15.29米ドル（+0.46％）