27日の香港市場は上値の重い展開か。ハンセン指数は前日まで続伸し、心理的節目の29000ポイントを回復した。連日で約1カ月ぶり高値を更新していただけに、利益確定売りが出やすい状況。指数先物の最終売買日をあすに控え、持ち高調整の売りも意識されそうだ。また、来週明け31日は中国本土で4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表を予定しており、内容を見極めたい投資家は積極的な売買を控える可能性がある。ハンセン指数は「29500ポイントが上値抵抗、50日移動平均(約28650)ポイントが下値支持になる」(香港経済日報)との見方が出ている。
前日のNY市場でダウ平均は小反発し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も反発した。米国では25日時点で18歳以上の半数が新型コロナワクチンの必要な回数の接種を完了した。経済活動の正常化が進むとの期待感が高まる半面、ダウ平均が過去最高値近辺にあることから利益確定売りが上値を抑えた。
26日の香港株の米国預託証券(ADR)は、AIAグループ(
01299)が香港終値を上回った半面、HSBC(
00005)、中国建設銀行(
00939)、テンセント(
00700)、アリババ集団(
09988)などが香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を60ポイント超下回って寄り付くことになる。