11日のNY株式相場は高安まちまち。ファイザーとビオンテックが開発したコロナワクチンの緊急使用が許可される見通しとなったものの、コロナ対策法案の成立を巡る不透明感が引き続き相場の重しとなった。「ディズニー+」の会員数増加が好感されたウォルト・ディズニーが13.59％％高と急伸したことでダウ平均が47.11ドル高（+0.16％）と小幅に上昇したものの、S&P500とナスダック総合がそれぞれ0.13％安、0.23％安と下落した。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、カーニバルなどのクルーズ株やユナイテッド・エアラインズなどの空運株、ギャップなどのアパレルが売られ、ジェフリーズが投資判断を引き下げたテスラも下落した。ダウ平均は3日ぶりの小幅反発となったが、S&P500が3日続落となり、ナスダック総合も反落した。週間ではダウ平均が0.57％安、S&P500が0.96％安とともに3週ぶりに反落し、ナスダック総合は0.69％安と4週ぶりの反落となった。

　コロナ救済法案を巡り与野党協議は続いたが、地方政府の支援策などで合意に至らず、民主党はホワイトハウスが提案する9160億ドルの支援策も失業保険給付が含まれていないとして拒否した。コロナ感染拡大が続き、死亡者数が過去最多を更新する中、クオモNY州知事は店内飲食を14日から禁止すると発表した。

海外市況

 指標                        寄値      高値      安値      終値    前日比   騰落率

 NYダウ                    29988.21  30071.13  29820.84  30046.37    47.11    0.16

 S&P500                     3656.08   3665.91   3633.40   3663.46    -4.64   -0.13

 NASDAQ                    12336.79  12383.50  12246.77  12377.87   -27.94   -0.23

 CME225先物                26665.00  26760.00  26370.00  26535.00    15.00    0.06

 FT100                      6546.75   6546.75   6546.75   6546.75   -53.01   -0.80

 DAX                       13255.24  13265.61  13009.48  13114.30  -181.43   -1.36

 為替（ドル/円）             104.25    104.27    103.83    104.03    -0.23   -0.23

 WTI先物                      46.97     47.29     46.34     46.57    -0.21   -0.45

 金（Gold）先物             1840.00   1851.80   1826.80   1843.60     6.20    0.34

 ※CME225先物は円建て。前日比は前日の大証日中終値比を記載。

■JDドット・コム（09618）：コミュニティー共同購入電子商取引プラットフォームを手掛けるXingsheng Preference Electronic Business Limited（興盛）に約7億米ドルを出資し、同社優先株を取得すると発表した。

■中国人寿保険（02628）： 2020年1−11月の保険料収入は前年同期比8.3％増の5862億元だった。11月単月では前年同月比2.9％減の203億元となる。

■新華人寿保険（01336）：2020年1−11月の保険料収入は前年同期比17.2％増の1525億7000万元だった。11月単月では前年同月比37.3％減の74億1700万元となる。

　週明け14日の香港市場は軟調か。前週末のNY株式相場は高安まちまち。ファイザーとビオンテックが開発したコロナワクチンの緊急使用が許可される見通しとなったものの、コロナ対策法案の成立を巡る不透明感が引き続き相場の重しとなった。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は、時価総額の大きいHSBC（00005）やテンセント（00700）、AIAグループ（01299）が香港終値を下回って引けており、香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前週末の終値を120ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。

　香港市場では相場の先高観は依然として根強いものの、足元では新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、積極的な買い材料に欠ける中、上値の重い展開が予想される。また、クリスマスシーズンを前に持ち高調整の動きも強まりそうだ。一方、中国ではきょう、全国70都市不動産価格、あす15日には小売売上高や鉱工業生産など11月の主要経済指標が発表される予定で、様子見ムードが広がる可能性もある。