30日の香港市場は、週末の米中首脳会談を控えて様子見ムード強まるか。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席はブエノスアイレスで30日に開幕する20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ、12月1日の夕食会で会談する予定。トランプ大統領は29日に記者団に対し、貿易問題での中国との合意について「成果にとても近づいていると思うが実現するかは分からない」と語った。貿易協議が不調に終われば制裁関税の対象を中国からの全輸入品に拡大すると重ねて表明していた。一方、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは30日、米国と中国が貿易戦争をめぐり新たな協議の枠組みを作る合意を目指していると伝えた。首脳会談が米中対立の緩和につながるかは見通せない状況で、結果を見極めたい投資家は積極的な売買を控えるだろう。
前日のNY市場でダウ平均は小反落。米中の貿易摩擦への警戒感から売りが優勢。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されると、早期の米利上げ打ち切り観測を受けて上昇する場面もあったが、勢いは弱かった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も小幅に下げた。29日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。欧州金融大手のHSBC(
00005)、石油メジャーのCNOOC(
00883)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)が香港終値を上回った半面、IT大手のテンセント(
00700)、通信キャリアのチャイナ・モバイル(
00941)、アジア生保のAIAグループ(
01299)が下回って引けた。
きょうは寄り付き前に11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。市場コンセンサス予想と前月実績はともに50.2。同水準に届かなかった場合、中国経済の減速懸念が一層強まり、相場を押し下げる可能性がある。