19日の香港株式市場でハンセン指数は6営業日ぶりに反落。終値は前日比1.92%安の28159.09ポイントだった。H株指数は2.28%安の11357.45ポイント。メインボードの売買代金は概算で1165億1500万HKドルと1100億HKドルを突破した。
ハンセン指数は朝高後に小安く推移したが、終盤に急落してほぼ全面安で引けた。20日移動平均(大引け時点で28158.22ポイント)を割り込む水準では安値拾いの買いが相場を下支えしたものの、終値は9月29日以来ほぼ3週間ぶりの安値に沈んだ。中国共産党大会が18日に開幕し、前日までの5連騰を支えてきたイベントを通過した。市場関係者は、過去の大会では総じて開幕後に香港と中国本土の株式相場は下げたと指摘。序盤に9年8カ月ぶりの取引時間中の高値を更新したこともあって、利益を確定する売りが膨らんだもよう。午前に発表された中国の1−9月固定資産投資は前年同期比伸び率が7.5%と7カ月連続で低下し、民間市場予想の7.7%を下回った。特に製造業を中心とする民間部門の投資伸び率が6%に減速しており、警戒された。
個別では、自動車メーカーの吉利汽車(
00175)が7.45%安と大幅に反落。前日まで相場をけん引していた生保大手の中国人寿保険(
02628)、中国平安保険(
02318)も売られた。香港系不動産デベロッパーの新世界発展(
00017)と恒基兆業地産(
00012)や、本土大手銀行の中国工商銀行(
01398)と中国建設銀行(
00939)が安い。米アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)は続落した。一方、空運株のキャセイ・パシフィック(
00293)が続伸し、逆行高を演じた。
H株では、通信設備大手の中興通訊(
00763)が11%超下落。前日発表の2017年1−9月期決算速報値は37%増益だったものの、7−9月期は子会社持ち分売却益など特別項目を除けば赤字だったとモルガン・スタンレーが指摘した。ディーゼルエンジン製造のウェイチャイ・パワー(
02338)、電気自動車メーカーのBYD(
01211)、風力発電会社の大唐新能源(
01798)も大きく売られた。半面、中国中材(
01893)、中国建材(
03323)、安徽コンチセメント(
00914)などセメント株の上昇が目立った。医薬品大手の上海復星医薬(
02196)が大幅高。あす1−9月期決算を発表する浙江世宝(
01057)も高い。独ダイムラー製大型トラック用に開発したステアリンギアの量産を開始すると発表した。