米議会の超党派諮問委員会「米中経済安全保障再考委員会(USCC)」は、中国が先進的な人工知能(AI)半導体の入手を制限される中でも、オープンソース型AIの優位性で米国勢に対抗できるとの見方を示した。23日に公表した報告書で、アリババ集団(
09988)の「千問(Qwen)」、月之暗面(Moonshot AI)の「Kimi」、ミニマックス(
00100)の「MiniMax」、北京智譜華章科技(
02513)の「GLM」などが世界的な利用ランキングで現在優勢となっていると指摘。「中国のオープンAIモデル戦略と製造業での優位性が相互に強め合う」関係にあり、中国政府が製造業基盤の高度化を目的に、工場や物流ネットワーク、ロボットなど幅広い分野でAIの導入を進めていることが、実世界データの蓄積を通じてモデルの改良にフィードバックされているとした。
米国は2022年以降、中国に対する輸出規制を段階的に強化し、最先端AIチップの取得を禁止してきた。ただUSCCは「中国は計算資源の制約が大きいにもかかわらず、オープンなエコシステムにより最先端に近い領域でイノベーションを実現している」「中国の研究機関は、西側の最先端大規模言語モデルとの性能差を縮小している」と報告した。
報告書は「オープンモデルの普及は、AI覇権に至る別の道筋を生み出す」との見方を示した。中国は戦略的に、製造業、ロボット、研究分野におけるエンボディドAIの展開を通じてデータ収集と精緻化を重視していると指摘。米国のクローズドモデルがベンチマーク上で技術的優位を維持していたとしても、中国は広範なAI利用から得られる専門的かつ現実世界のデータを蓄積することで「容易には再現できない優位性」を獲得することができると警告した。