中国の電子部品メーカー、瑞声科技(
02018)が発表した2025年12月本決算は、売上高が16.4%増の318億1700万元、純利益が39.8%増の25億1200万元となった。粗利益率は22.1%と前年並みを維持。光学事業の採算改善に加え、高付加価値製品の拡大が収益を押し上げた。人工知能(AI)の進展を背景に、従来の部品供給から「AI感知・インタラクションシステム」企業への転換を進めている。
事業別では、光学部門の売上高が14.5%増の57億2500万元、粗利益率は5.0ポイント上昇の11.5%と大きく改善した。ウェハーレベルガラス(WLG)を用いた高機能レンズや微細プリズムの出荷が拡大し、主力顧客の高機能機種への採用が進んだ。電磁伝動・精密構造部品部門は21.3%増の117億7400万元、粗利益率は24.5%に上昇した。なかでも放熱事業は410.9%増の16億7000万元と急拡大し、スマートフォン向け超薄型ベーパーチャンバーの量産に加え、データセンターの液冷やロボット向け用途にも展開を広げた。
センサー・半導体部門は103.1%増の15億7100万元と倍増した。高S/N比マイクの需要拡大を取り込んだ。一方、主力の音響部門は1.7%増の83億5200万元と堅調に推移し、中高価格帯市場での競争力を維持。車載事業は買収効果もあり16.1%増の41億1700万元に拡大し、世界上位の車載音響サプライヤーの一角に食い込んだ。
今後はAI関連分野を軸に成長を加速する。経営トップは「AI感知インフラの構築者」への転換を掲げ、拡張現実(AR)では光導波路技術を持つフィンランド企業Dispelixの買収を通じてディスプレー分野での競争力強化を狙う。人型ロボットも重点領域とし、微小モーターや駆動・制御技術を組み合わせた製品群の拡充を進める。
スマートコックピットやデータセンターの熱管理、XR(クロスリアリティ)など成長市場への投資を積極化し、中長期の収益基盤の強化を図る方針だ。