
| 2026-03-14 |
中国/政策/その他 |
|
中国、第15次5カ年計画を公表 AI・量子・6Gなど新興産業を重点育成
中国政府は13日、全国人民代表大会での決議を受け、「国民経済・社会発展第15次5カ年計画綱要(2026−30年)」を公表した。2035年までに社会主義現代化を基本的に実現する目標に向けた重要な段階と位置づけ、中国式現代化を全面的に推進するとともに、質の高い発展を軸に経済構造の高度化を進める方針を示した。
中国は前計画に当たる第14次5カ年計画(2021−25年)期間に国内総生産(GDP)が140兆元を超え、新たな生産力の発展や脱貧困成果の維持などで一定の成果を上げた。一方、次の5年間は地政学的対立や保護主義の拡大など国際環境の不確実性が強まるほか、国内では需要不足や人口構造の変化、地域間格差といった課題が重なっていると指摘。こうした状況を踏まえ、発展と安全保障を両立させながら経済・社会の安定的な発展を目指す。
計画では実体経済を基盤に産業の高度化を進め、製造強国や交通強国などの建設を加速する方針を示した。次世代情報技術、新エネルギー、新材料などの分野を戦略的新興産業として育成し、バイオ医薬やロボット、ハイエンド装備などの発展を促す。国産大型旅客機C919の量産化や、インテリジェント・コネクテッド新エネルギー車の国際競争力強化も掲げた。ドローンなどを含む低空経済や商業宇宙分野の発展も促し、新たな成長分野と位置づける。
将来産業としては量子科学技術やブレイン・マシーン・インターフェース(BMI)、フィジカルAI、核融合や水素エネルギーなどを重点分野に位置づけた。次世代通信規格6Gの研究開発も進め、長期的な技術優位の確立を目指す方針だ。
科学技術面では、半導体や工作機械、基礎ソフトウエア、先進材料などの重要分野で技術自立を強化する。教育・科学技術・人材育成の連携を進めるほか、「AI+」行動計画を通じ、人工知能の産業や社会への応用を広げる。国家データ資源体系を整備するなど、データ要素の活用を進める方針も盛り込んだ。
内需拡大も重要課題とした。雇用優先政策や所得分配の改善により中所得層を拡大し、消費力の底上げを図る。また、地方保護主義を是正して市場の一体化を進める「全国統一大市場(国内の地域間障壁を取り払い、資本・人材・商品などの要素を全国規模で円滑に流通させる統一市場)」の整備を進める。民営企業の発展を後押しするため「民営経済促進法」の施行も掲げ、国有企業と同等の市場環境を整備する。
人口政策では、出産を後押しする社会環境づくりや教育・育児費用の軽減を進めるとともに、高齢化への対応を強化する。「シルバー経済」の育成や多層的な介護サービス網を整備するほか、定年延長を段階的に実施する方針を示した。高等教育進学率の引き上げや医療サービスの均等化など、公共サービスの充実も図る。
環境分野では、単位GDP当たりの二酸化炭素排出量を17%削減する目標を掲げ、エネルギー構造の転換を進める。食糧の生産能力を安定的に確保するとともに、風力や太陽光、原子力などを含む新型エネルギー体系の構築を加速する。
このほか国防の近代化を進め、2027年の人民解放軍創設100年に合わせた軍建設目標の達成を目指す。香港・マカオの長期的な繁栄と安定を維持し、台湾との融合発展を進める方針も盛り込んだ。
中国は第15次5カ年計画の期間を通じ、2035年までに1人当たりGDPを2020年比で倍増させ、中等先進国水準に到達する目標の実現に向けて経済・社会改革を進めるとしている。