
| 2026-03-05 |
中国/政策/その他 |
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第15次5カ年計画綱要案、35年見据え構造転換 新質生産力を前面に
中国政府が公表した第15次5カ年計画(2026−30年)綱要案は、2035年までに社会主義現代化を基本的に実現する長期目標を見据え、中国式現代化を全面的に進めるための指針を示した。先進製造業を軸とする産業高度化や内需主導型成長への転換、高水準の対外開放を掲げ、構造改革と安全保障の強化を並行して進める姿勢を打ち出した。
産業政策では、製造強国やネットワーク強国の建設を加速し、先進製造業を中核とする現代的な産業体系の構築を目指す。科学技術と産業の両面でイノベーションを進め、「新質生産力」を育成する方針を明記した。「AI+(人工知能プラス)」行動を幅広く展開し、計算能力やアルゴリズム、データ基盤を強化することで、経済・社会の各分野の高度化を図る。
内需拡大も重要課題に位置付けた。消費のてこ入れと有効投資の拡大を組み合わせ、国内大循環の推進力を高める。地方保護や市場の分断を是正し、商品や生産要素が円滑に移動できる「全国統一大市場」の形成を進める。国有企業改革を深めるとともに、民営経済の発展を一貫して支援し、国際水準のビジネス環境を整備する。
対外面では、国際的な高水準の経済・貿易ルールに対応する「制度型開放」を推進し、透明で予見可能な制度環境を整える。「一帯一路」ではインフラ整備などのハード面に加え、ルールや標準の接続、人材交流といったソフト面の協力も強化する。開発や安全、文明に関する各種イニシアチブを通じ、国際ガバナンスへの関与を深める考えも示した。
民生分野では、雇用優先政策を徹底し、所得分配制度を整備することで中間所得層の拡大と格差是正を図り、「共同富裕」を着実に進める。少子化・高齢化への対応として出産支援策を見直し、子育てしやすい社会づくりを進めるほか、高齢者向けサービスの充実を打ち出した。人口構造の変化に対応した質の高い教育体制の整備や「健康中国」行動の推進も盛り込んだ。
環境分野では、産業・エネルギー構造の転換を加速し、カーボンピークアウト目標の達成を確実にする方針を明記。汚染対策を徹底し、山林や河川、農地などを一体として保護・管理する総合的な環境統治を進める。
安全保障では、政治や経済、食糧、エネルギー、サイバーなど重点分野の安全確保能力を高める「総体国家安全観」を堅持する。2027年の建軍100年に向けた目標の実現を掲げ、国防と軍隊の現代化を着実に進める。
香港・マカオ政策では「一国二制度」のもとで長期的な繁栄と安定を維持し、国家発展戦略との連携を強める。台湾問題では「一つの中国」原則と「92年コンセンサス」を堅持し、台湾独立の動きや外部勢力の干渉に反対しつつ、両岸関係の平和的発展と国家統一を目指す姿勢を改めて示した。
計画の実行にあたっては、中国共産党の指導のもとで各目標の達成を図るとしている。