
| 2026-02-26 |
香港/政策/その他 |
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香港財政予算案 AI投資と金融強化で成長確保、減税で家計下支え
香港特別行政区政府は25日、2026−27年度の財政予算案を発表した。イノベーションを成長のけん引役に据え、金融機能を一段と強化する一方、市民生活を支える減税や社会保障策も盛り込んだ。財政規律を維持しつつ、産業高度化と民生支援を両立させる構えだ。
香港経済は回復基調にある。25年の実質域内総生産(GDP)成長率は3.5%となり、26年も2.5−3.5%の成長を見込む。2026−27年度は221億HKドルの総合黒字を予想し、31年3月末の財政備蓄は7337億HKドルに達する見通し。26年度から2年連続で経常支出を計4%削減し、公務員ポストも累計約1万削減するなど歳出抑制を進める。
産業政策では「AI+」を柱に据える。産業全体のデジタル転換を統括する委員会を設け、年内に100億HKドル規模のイノベーション・テクノロジー産業振興基金を創設する。北部都会区では河套香港園区や新田テクノロジーシティーなどに各100億HKドル規模を投じ、開発を加速。沙嶺のデータセンターパーク整備を進めるほか、5000万HKドルを投じて公的機関や大学でのAI人材育成を支援する。
国際金融センター機能の強化も打ち出した。オフショア人民元市場の拡充や人民元建て債券発行の促進を通じ、人民元業務を拡大する。本土との相互接続の拡充に加え、国債先物や不動産投資信託(REIT)の導入を進める。デジタル債券の決済基盤を整備し、暗号資産サービス提供者の免許制度を法制化する方針も示した。ファミリーオフィス向けの税制優遇も拡充する。
家計支援策として、2025−26年度の給与所得税と小規模企業の事業所得税を100%(上限3000HKドル)減免する。2026−27年度からは基本控除を13万2000HKドルから14万5000HKドルへ、既婚者控除を26万4000HKドルから29万HKドルへ引き上げる。総合社会保障援助(CSSA)や高齢者手当などは1カ月分を追加支給する。
都市の競争力向上にも資金を振り向ける。香港政府観光局に16億6000万HKドルを投じ観光振興を強化し、歴史的建造物の保護にも10億HKドルを追加する。住宅は今後5年間で公営住宅約19万6000戸を供給し、民間住宅も年平均1万7000戸の完成を目指す。財源確保策として、1億HKドル超の高額住宅にかかる印紙税率を4.25%から6.5%へ引き上げる。