中国の春節(旧正月)連休は過去最長の9日間(2月15−23日)となり、映画市場は堅調な動きを示した。現地時間23日午後9時時点の総興行収入は57億元を突破。上映回数は435万回を超え、中国映画史上の最多を更新した。『澎湃新聞』が24日伝えた。
興行をけん引したのは、作家としても知られる韓寒監督が手掛け、俳優の沈騰が主演した『飛馳人生3』だ。興行収入は29億1300万元に達し、期間中の総収入の半分以上を占めて首位を独走した。このヒットにより、韓寒監督作品の累計興行収入は100億元を突破。劇中に登場するラリーカーの模型など関連グッズの予約販売も好調だった。
このほかの作品では、国家安全部が制作に関与し、張芸謀監督が手掛けたスパイサスペンス『驚蟄無声』が8億6400万元を記録。漫画原作の武侠映画『ヒョウ人:風起大漠』は映画レビューサイトの豆瓣(Douban)で新作中最高の評価(7.5)を得た。人気アニメシリーズの最新作『熊出没・年年有熊』も7億元を超える興行となり、ファミリー層の支持を集めた。
現地メディアによると、今年の春節市場では観客構成にも変化がみられた。過去3年は女性が6割以上を占めていたが、『飛馳人生3』や『ヒョウ人』のヒットを背景に男性客が増え、男女比はより均衡した。平均チケット価格は47.9元と前年の50.8元から約3元低下。遼寧省など東北地方で『飛馳人生3』が人気を集めるなど、地域ごとの盛り上がりも目立った。
今回の春節作品には上場映画会社が幅広く関与した。中国電影産業集団(
600977)は『飛馳人生3』『驚蟄無声』『ヒョウ人』など主要5作品の出品に関与。博納影業集団(
001330)は『飛馳人生3』の主要投資会社の1社となった。
また、アリババ集団(
09988)傘下の大麦娯楽(
01060)は興行上位3作品すべてに関与し、猫眼娯楽(
01896)、万達電影(
002739)も『飛馳人生3』や『熊出没』などに出資した。映画館運営を手掛ける横店影視(
603103)は複数作品に関わり、上海電影(
601595)はSFアクション大作『星河入夢』に参加。北京光線伝媒(300251)は再上映作品『重返・狼群』の共同出品に名を連ねた。
一方、市場では2025年に社会現象となった『ナタ 魔童の大暴れ(ナタ2)』のような爆発的ヒット作が見当たらなかったとの指摘も出ている。ただ、現地メディアは、連休後に都市へ戻った観客の口コミが広がれば、興行収入がさらに伸びる可能性もあるとしている。