中国の人工知能(AI)各社が、春節(旧正月)の「紅包」(お年玉)を巡り激しいユーザー獲得競争を繰り広げている。一方、春節後のユーザー定着に向けた準備も進めている。「華夏時報」が18日伝えた。
辰年の春節を迎え、AI紅包合戦は最高潮に達している。旧暦おおみそかの16日には、字節跳動(バイトダンス)傘下の「豆包」アプリが中国中央テレビ(CCTV)の春節特別番組「春節聯歓晩会(春晩)」で現金紅包を配布したほか、テンセント(
00700)傘下の「元宝」アプリも同日、1万元相当の「小馬カード」を100枚追加すると発表。アリババ集団(
09988)傘下の「千問」アプリは同日夜、「紅包雨」と呼ばれる現金配布を4回実施した。投資会社である順福資本の創業者、李明順氏は、春節のAI紅包合戦で一気に勝敗を決するのは容易ではないとの見方を示し、「現状では豆包が個人向けAIアシスタント分野で圧倒的に優位に立っているが、テンセントのSNSにおける競争力も依然として非常に強い。市場全体は群雄割拠の段階にあり、今年は大手各社にとって主導権争いの入場券を巡る年になる」と述べた。
一方、春節の紅包施策が一定の効果を上げる中でも、短期間で流入する春節特有のトラフィックを、日常利用へと定着させられるかが、消費者向けAI市場の競争力を測る鍵となる。網経社電子商務研究センターのデジタル生活分野アナリスト、陳礼騰氏は、「成否を分けるのは紅包の金額ではなく、春節後30日のユーザー定着率と利用行動の定着度だ」と分析する。
AIベンダー各社は、春節後にユーザーを維持するための準備を進めている。複数のAI企業関係者は、AIをユーザーの日常生活に浸透させることが自社の目指す方向だと述べている。アリババ集団の担当者は 17日、千問アプリの春節イベントをさらに強化すると発表した。即日から、千問で「一句話下単」(1文の指示だけで注文操作を完了させるサービス)の利用者は毎日初回の注文が必ず割引になるほか、即時配達するサービス「淘宝閃購」(タオバオ・インスタントコマース)、旅行予約の「飛猪(フリギー)などのプラットフォームの既存割引と併用できるという。同担当者は、これにより利用者が春節の一時的な体験から日常利用へ移行し、AI時代の新たな生活様式を主体的に探るようになるとの期待を示している。