
| 2026-02-10 |
中国/政策/空運 |
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中国5部門、低空インフラ向け通信整備 27年までに公共航路9割超カバー
中国工業情報化部(MIIT)など5部門は10日、「低空インフラ発展を支える情報通信業の能力建設強化に関する実施意見」を発表した。ドローンなど低空域を活用する「低空経済」の基盤となる情報通信インフラを整備し、新たな成長分野の育成を狙う。
2027年までの目標として、全国の低空公共航路における地上移動通信ネットワークのカバー率を90%以上に高める。多元融合型センシング技術の成熟を進め、低空ナビゲーションサービスの高度化を図るほか、低空インフラ関連の基準を10項目以上整備し、都市管理や物流、観光などでの活用モデルの創出を目指す。
通信・監視・航法を支える基盤整備では、5G-Advanced(5G-A)を軸に通信とセンシングを一体化した通感融合(ISAC)技術の開発を推進する。高度300メートル以下の主要航路は既存5G網を活用し、300メートル超の空域や辺境地域は衛星通信と地上網の組み合わせで補完する。北斗衛星導航システム(BDS)と5G網の連携により、航空機の測位速度と精度の向上も図る。モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)、クラウド、ビッグデータを活用した空域管理のデジタル化や計算資源の効率的な供給体制も構築する。
産業面では、低空航空機向け5G/5G RedCapモジュールの検証を進め、通信・航法・監視を統合した低コストモジュールの開発を促す。既存の通信鉄塔などの設備を活用し、インフラの共用化と集約的な整備を進める。
安全面では、機体ごとに固有の識別コードと通信番号を紐付けた一元管理体制を構築し、通信資源の精密管理を強化する。低空経済向け周波数の計画的配分とネットワーク・データの安全保障体制の整備、緊急時対応力の向上も盛り込んだ。
政府は中央・地方の連携を強化し、資金投入の多様化を通じて技術開発から応用、安全保障までを一体的に推進する方針。低空経済の実用化を支える情報通信基盤の整備を加速させる。
低空経済を巡っては、中国政府が近年、戦略的新興産業の一角として位置付け、各地でドローン配送や空中観光、都市管理向け監視などの実証が相次ぐ。一方、空域管理の未整備や通信インフラ不足、安全管理の遅れが商用化拡大の制約となっていた。今回の措置は、低空域のデジタル管理や通信基盤の標準化を進め、産業化を後押しする狙いがある。