中国の民営製薬会社、石薬集団(
01093)は30日大引け後、自社開発した肥満症治療薬候補「SYH2086」のライセンスを米マドリガル・ファーマシューティカルズ(MDGL)に提供する契約を結んだと発表した。SYH2086を開発・製造・事業化する全世界での独占的権利をマドリガルに付与する。
契約に基づいて石薬集団が受け取る代価は、最大で20億7500万米ドルに上る。内訳は、契約一時金が1億2000万米ドル、開発・承認・事業化の進展に応じたマイルストーン支払いが最大19億5500万米ドル。さらに、SYH2086の年間売上高について2桁台のロイヤルティー収入も受け取ることができる。
SYH2086は石薬集団が知的財産権を保有する経口低分子GLP-1(食物が小腸を通る際に出るホルモン)受容体作動薬。GLP-1受容体作動薬は2型糖尿病や肥満の治療に用いられる薬剤で、SYH2086は臨床前試験で優れた血糖降下・体重減少効果を示したという。なお、SYH2086以外の経口低分子GLP-1受容体作動薬については、石薬集団が引き続き中国において開発・販売する権利を保持する。