中国のネット通販大手、JDドットコム(
09618)は30日大引け後、欧州の家電量販チェーン「MediaMarkt(メディアマークト)」と「Saturn(サターン)」の親会社であるCECONOMY AGの全株式を対象に、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。提示価格は1株につき4.6ユーロで、2026年上期の完了を目指す。
JDドットコムはCECONOMYの筆頭株主を含む複数の株主と契約を結び、これらの株主はTOBに応じることを確約している(TOBの完了が前提条件)。これにより、JDドットコムは少なくとも発行済み株数の57.1%を掌握することになる。
CECONOMYは欧州11カ国に1000超の店舗網を展開。JDドットコムは戦略投資契約に基づき、CECONOMYの独立した運営体制を維持するとともに、連携を通じて事業成長を図る方針。
JDドットコムの許冉・最高経営責任者(CEO)は「CECONOMYの市場地位や顧客基盤、成長力は強みであり、人材や企業文化の成長を支援する」と述べた。CECONOMYの主要株主代表のJurgen Kellerhals氏も「JDドットコムの専門性はCECONOMYの次の成長段階を後押しする」として、買収への支持を表明した。
TOBの実施には、欧州連合(EU)の企業結合規制審査や、外国投資審査など、複数の規制当局による承認取得が前提となる。