CLSAアジア・パシフィック・マーケッツは最新リポートで、中国政府が発表した0−3歳児を対象とする年間3600元の育児給付金について、金額は限定的ながらも出生支援の明確な政策シグナルであり、想定内の内容と評価した。政策の意図は出生数の直接的な押し上げよりも、個人消費の刺激に重きを置いていると分析。とはいえ短期的には新生児数に一定のプラス効果をもたらす可能性があるとの見方を示した。この給付金は出生率の低下と子育て世帯の負担増加に対応した施策と位置づけられるとした。『AAストックス』が29日伝えた。
乳児用粉ミルク業界の市場規模は新生児数と密接に連動すると指摘。CLSAが実施した販売チャネル調査によると、2024年の新生児数の一時的な回復を受けて、25年1−5月の市場規模は前年同期比でほぼ横ばいとなり、24年中に見られた1桁台の落ち込みから改善した。今後の焦点は業界内の競争環境にあり、とりわけ主要な国内ブランドが展開する販売戦略に注目するとした。
カバー銘柄のなかでは、内蒙古伊利実業集団(
600887)が堅調な成長を維持し、市場シェアも拡大しているほか、健合国際(
01112)は高価格帯セグメントでのシェアが回復傾向にあると評価。一方、中国飛鶴(
06186)については販売チャネルにおける在庫削減の進ちょくと小売価格管理の実効性が短期的な注目点になるとの見方を示した。3銘柄の投資判断をいずれも「オーバーウエート」に据え置き、目標株価は内蒙古伊利実業集団が33元、健合国際が13.5HKドル、中国飛鶴が6HKドルとした。