HSBCグローバルリサーチは最新リポートで、中国の鉄鋼株とセメント株が7月以降、強い値動きを見せていることについて、「反内巻(過当競争の是正)」措置とヤルンツァンポ川(雅魯蔵布江)水力発電プロジェクトの着工が背景にあったと指摘した。「反内巻」措置は非合理的な競争と過剰生産能力の是正を狙い、業界団体の自主規制と工業情報化部の指導のもとで進められているが、市場構造の健全化につながる可能性があり、鋼鉄・水泥株の再評価を促したとの見方を示した。『AAストックス』が29日伝えた。
一方、ヤルンツァンポ川水力発電プロジェクトは世界最大級の水力発電事業として市場の楽観的ムードを支えているものの、建材需要への影響は限定的だと分析した。プロジェクト期間が長く、地域特性も強いため、水泥業界ではチベット自治区や中国南西部に生産拠点を持つ企業のみが直接的な恩恵を受けるとみている。
また、具体的かつ強制的な供給制限措置はまだ発表されていないが、政策の動きは今後より強力な措置の導入へ加速すると予想。水泥業界に関しては実質的な改革が進み、業界大手にとって有利に働くとして、安徽コンチセメント(
00914)、華潤建材科技(
01313)、中国建材(
03323)をトップピックに選定。鉄鋼業界については、収益力が高いことを理由に馬鞍山鋼鉄(
00323)をアンガン・スチール(
00347)よりも選好するとした。