巨額債務の再編を進めている不動産デベロッパーの碧桂園(
02007)が、債権者の銀行から要求されていた条件を受け入れたもようだ。これにより同社の債務再編交渉が前進する可能性がある。事情に詳しい関係者の話によると、碧桂園は複数銀行で構成するコーディネーション委員会に送付した文書に、銀行が差し押さえている担保を取り戻す見返りに、碧桂園が銀行に1億7800万米ドル(約7億5116万リンギ)の補償金を支払うとした一項を盛り込んだ。香港経済紙『信報』が外電を引用する形で伝えた。
同委員会は以前、要求が受け入れられなければ「交渉は決裂する」と警告していた。この障害が解消されたとすれば、次の段階として銀行側が包括的な債務再編案に正式署名することになる。碧桂園はコメントを控えている。
碧桂園は債権者から清算を申し立てられており、次回の審理は8月11日に開かれる予定。同社は2023年にドル建て債務のデフォルトを起こして以来、141億米ドルにのぼるオフショア債務の再編をめぐって債権者と交渉を続けている。同社の債務再編案が承認されるには、銀行団と社債保有者という2つの債権者グループからそれぞれ4分の3以上の支持を得る必要がある。同社によれば既に社債保有者の70%から支持を得ているが、債務再編案の承認手続きを完了させるには銀行団の賛同が不可欠となる。