週明け21日の香港市場で電力設備や鉄鋼、セメント、インフラ建設の関連株が大幅に上昇している。発電設備大手の東方電気(
01072)の株価は一時119.90HKドルに達し、前週末終値の8倍を超えた。チベット高原からインドに流れ込むヤルンツァンポ川(雅魯藏布江)に世界最大級の水力発電所を建設する工事が始まったと伝わり、恩恵を受けそうな銘柄が買いを集めたもよう。
国営新華社は19日、「雅魯藏布江下流域水力発電プロジェクト」の着工式が同日にチベット自治区林芝市で行われ、李強首相が正式着工を宣言したと伝えた。同プロジェクトでは湾曲した河道を直線化してトンネルで導水し、カスケード式水力発電所5カ所を建設する。総投資額は約1兆2000億元に上る。24年7月に新設された中央企業(国務院国有資産監督管理委員会が直轄する国有企業)の中国雅江集団が施主となっている。
中国政府は24年12月に同プロジェクトを承認した。英『フィナンシャル・タイムズ』によると、インド外務省は1月初め、「生態系を大きく乱す巨大プロジェクトだ」として懸念を表明した。同プロジェクトの規模は世界最大の水力発電所である三峡ダムの3倍に上るという。
日本時間午後3時13分現在、関連銘柄の値動きは次の通り。
■東方電気(
01072):25.25HKドル(前営業日比69.24%高)
■ハルビン電気(
01133):7.97HKドル(同30.44%高)
■重慶鋼鉄(
01053):1.76HKドル(同24.82%高)
■中国東方集団控股(
00581):1.77HKドル(同11.32%高)
■華潤建材科技(
01313):2.09HKドル(同11.17%高)