11日の香港市場は続伸して始まるか。中国と米国の貿易交渉が進展するとの期待が引き続き相場を支えそうだ。中国商務省の報道官は10日の記者会見で、米国との通商協議について「緊密な意思疎通を続けている」と述べた。前日の米株式相場の上昇も投資家心理を強気に傾けると予想する。
ただ、ハンセン指数は前日に終値ベースで心理的節目の24000ポイントを回復しており、利益確定売りが出やすい状況だ。香港ドル安による資金流出も警戒されるだろう。香港金融管理局(HKMA)は11日早朝、香港ドルが許容変動幅の下限に達したことを受け、132億8200万HKドル規模の香港ドル買い・米ドル売りを実施した。香港と米国の金利差拡大を背景に、香港ドルの対米ドル相場に下押し圧力がかかっている。
10日のNY株式相場はダウ平均が続伸。新規失業保険申請件数が予想を下回る強い結果となったことや、デルタ航空の第2四半期決算が予想を上回ったことが支援となった。ハイテク株主体のナスダック総合は小幅ながら3日続伸し、前日に続いて取引時間中と終値の史上最高値を更新した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、英金融大手のHSBC(
00005)や中国ネット通販大手のアリババ集団(
09988)、香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)が香港終値を上回って引けた。