9日の香港市場は続伸して始まるか。中国と米国の貿易交渉が進展するとの期待が続き、買いが先行しそうだ。ラトニック米商務長官は8日、米CNBCのインタビューで、8月上旬に中国と貿易交渉を行うと明らかにした。貿易をめぐる米中閣僚協議が5月と6月にそれぞれスイス、英国で開かれたことを踏まえ、ラトニック氏は「これまでより大きな貿易協議のプロセスを始めることができるだろう」と述べた。
もっとも、香港ドル安に伴う資金流出懸念が相場の重荷になり得る。トランプ米政権の関税政策が米国の物価上昇につながるとの見方から米長期金利が上昇しており、米国と香港の金利差拡大を見越した香港ドル売り・米ドル買いの動きにつながりやすい。
8日のNY株式相場は高安まちまち。ハイテク株主体のナスダック総合は小幅に反発したしたものの、ダウ平均とS&P500は続落した。インテル、エヌビディアなどの半導体株が上昇した一方、トランプ関税の不透明感やHSBCが投資判断を引き下げた大手金融株の下落などが重しとなった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は中国ネット通販大手のアリババ集団(
09988)と子会社の阿里健康(
00241)が香港終値を下回った半面、国際金融銘柄のHSBC(
00005)が上回って終えた。