英紙『フィナンシャル・タイムズ』（FT）は8日、事情に詳しい関係者の話として、中国発の衣料品ネット通販「SHEIN（シーイン）」が前週、香港証券取引所に新規株式公開（IPO）の仮目論見書を非公開で提出したと報じた。中国証券監督管理委員会にも香港上場の承認を申請したという。同紙によると、ロンドン上場の承認を得るため、英国の市場管轄当局に上場審査要件の緩和を促す狙いがあるとの見方を伝えた。

　関係者によれば、SHEINは2024年初めに英国上場を申請したが、規制当局の承認は得られていない。英国と中国の管轄当局が目論見書で開示すべきリスク情報の記述について合意できていないことが理由とみられ、特にサプライチェーンと新疆ウイグル自治区との関係をめぐる表現において意見が対立しているという。

　同関係者は、仮に英金融行為監督機構（FCA）が中国証券監督管理委員会が認めた目論見書を受け入れれば、依然としてロンドンがSHEINにとって最優先の上場地となると述べた。ロンドン市場の投資家層が香港より多様で国際的であるためだという。ただ、SHEINは重複上場やセカンダリー上場も検討している可能性があるとした。