野村インターナショナルは最新リポートで、中国本土の電気自動車(EV)市場における競争が一層激化しているとの見方を示した。各社が発表した速報値を踏まえると、6月の市場全体のEV出荷台数は横ばい、または前月比で減少した可能性があり、5月末に始まった新たな値下げ合戦を受けて消費者の様子見姿勢が広がったと分析した。『インフォキャスト』が2日伝えた。
6月は従来の閑散期に当たるが、卸売ベースの出荷データによると、多くのEVメーカーが販売減に直面していると指摘。市場の週間データでも、直近4週間でほとんどのブランドの納車動向が低調だった。唯一、BYD(
01211)は同期間に新たな値下げを打ち出したことで、販売面で健闘したという。
野村は、2025年下期も在庫の積み上がりと高めに設定された通年目標が重荷となり、市場競争が一段と加速するとみている。米テスラや理想汽車(
02015)などが新たな販促策を導入し、競争環境がさらに緊迫する見通しとした。
こうした中、野村は投資家に対し、EVメーカーの新モデル投入と販売戦略を注視するよう提言。小鵬汽車(
09868)の「G7」や理想汽車の「i8」などが7月中に市場投入される見込みで、販売回復の鍵を握る可能性があるとの見方を示した。
BYDについては投資判断を「買い」とし、新型車「Seal 06 DM-iツーリング版」や「海獅06」の市場投入と新たな販促施策に期待を示した。