週明け29日の香港市場は、前週末の米株高の流れを引き継いで反発か。前週末に複数の米連邦準備理事会(FRB)高官から年内利下げを示唆する発言が相次いだことで、米長期金利の低下傾向が続くとの見方から買いが入りそうだ。サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は26日、「秋には政策金利の調整を開始できるだろう」と述べた。リッチモンド連銀のバーキン総裁も同日の講演で、現行の金融政策が制限的であることから、「関税によるインフレへの影響はそれほど大きくならないだろう」との見方を示した。
FRBを巡っては、トランプ米大統領が来年5月に任期を終えるパウエル議長の後任として、金融緩和に前向きな候補を早期に指名するとの観測が浮上している。米ドル相場の先安観を背景に、香港を含む新興国市場に資金が流出するとの期待が高まるだろう。前週末の外国為替市場で主要通貨に対するドルの強さを示すドル指数が一時97台前半まで下落し、2022年3月以来約3年3カ月ぶりの低水準を付けた。
一方、中国景気の不透明感から上値が伸び悩む展開があり得る。中国国家統計局がきょう寄り付き後に発表する6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が注目の指標となるだろう。
27日のNY株式相場はダウ平均が続伸。中東情勢への警戒感が和らぐ中、ラトニック商務長官が米中貿易協定の枠組みが最終決定したと述べたことで貿易交渉の進展期待も追い風となった。ハイテク株主体のナスダック総合は5日続伸した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、銀行株のHSBC(
00005)と中銀香港(
02388)、石炭株の中国神華能源(
01088)が香港終値を上回った半面、香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)、新エネルギー車メーカーの理想汽車(
02015)が下回って引けた。