中国ゲーム業界で人工知能(AI)競争が白熱化するなか、中国メディアの報道によると、テンセント(
00700)傘下の騰訊ゲームは「VISVISE」というゲーム制作AIフルチェーンソリューション事業を立ち上げた。VISVISEには、同社の製品性能部門「GoSkinning」チームが開発した「Auto LUV」や「裙擺AI」などの開発ツールが含まれており、その他の各種AIゲームツールも開発が進められているという。
テンセントは先ごろ、大規模言語モデル「混元」を基盤とした「混元ゲームビジュアル生成プラットフォーム」も発表した。同プラットフォームは、同社にとって初の産業レベルのAIGC(AI 生成コンテンツ)型ゲームコンテンツ生産エンジンであり、ゲーム資産の生成や制作プロセスを大幅に最適化することが可能になるとされる。
AIはテンセントのゲーム事業における新たな成長エンジンとなりつつある。同社の馬化騰会長は2025年1−3月期の業績発表電話会議で、AI技術がロングセラーゲームを含む事業に実質的な貢献を果たしていると述べた。
AI活用の流れはテンセントにとどまらない。米哈遊網絡科技(miHoYo)やネットイース(
09999)も相次いでAIゲームの取り組みを強化している。米哈遊網羅科技の共同創業者・蔡浩宇氏が今年3月に設立した新会社「Anuttacon」は、AI多モーダルインタラクションを中核としたゲーム「Whispers from the Star」の初の予告編を発表。プレイヤーはゲーム内AIキャラクターと文字、音声、さらには映像を通じたリアルタイム対話が可能になるという。
一方、ネットイースの「伏羲実験室」は、バーチャルヒューマン、AIフェイスデザイン、AI創作などの技術を次々に投入し、「倩女幽魂」「永劫無間」「逆水寒」「蛋仔派対」など同社の人気ゲームタイトルに応用している。